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スポーツはイメージトレーニングが重要です。
陸上短距離のスタートダッシュ、スキージャンプの踏み切り。一流選手は繰り返し自分のイメージを自らの身体に覚えさせようとします。
野球、テニス、そして、バドミントンの素振りも同じです。
バックスイングからシャトルがラケットに当たるインパクトの瞬間、そして相手コートにシャトルが落ちるコースまでを頭の中でシュミレーションしながらひたすら素振りを繰り返す。
素振りは単にラケットを振るだけの練習ではありません。
オーバーヘッドストローク、フォアハンド、バックハンド、前後左右のフットワーク。これらをいかに組み合わせ、実戦で使える技術にするか。
どのコースにシャトルが来ても正確にラケットで捉え、意図したコースに打ち返す。
そうしたイメージを頭と身体に覚えさせるトレーニングなのです。
トレーニングに意味があるように、全ての素振りにも意味、目的があります。
目的をはっきりさせた練習は試合で結果となります。
ゲームで勝てる練習、素振りを心がけましょう。
腕と手首の連携動作がスピードを生む
バドミントンは筋力(パワー)のスポーツではありません。
スピードに乗ったシャトルを打つ、速さがゲームの勝敗を決めます。
スピードのあるシャトルを打つためには、腕と手首の連携がポイントになります。
バドミントンの素振りでは、腕全体の動作だけでなく手首との連携を意識してトレーニングしましょう。
まず、手首の動作でポイントになるのは、「回内・回外運動」です。
手首の動作でポイント「回内・回外運動」
回内・回外運動についてご説明しましょう。
腕を真下に降ろし肘から先だけを90度前に上げてください。
この状態で、手首を回転させて手のひらが下になる動きを「回内運動」と言います。
反対に、手首を回転させて手のひらが上になるのが「回外運動」です。
バドミントンではこの手首の回内、回外運動がスピードのあるスマッシュの決め手です。
初心者にありがちな、手首を前後に曲げる打ち方ではフライパンを振っているような素振りになってしまいます。手首の前後運動では、ラケットを振った時に手首に大きな負担がかかり、怪我や故障の原因になりかねません。
フォアハンドでは回内、バックハンドでは回外と打ち分ける事でショットの幅が広がり、より攻撃的なスマッシュが打てます。
回内・回外運動は、日常の動作ではほぼ使いません。そのため、バドミントン初心者は素振りの時に手首の動きにポイントを置きましょう
オーバーヘッドストロークの素振り
バドミントンで最も基本的なオーバーヘッドストロークを例にとって素振りを試してみましょう
オーバーヘッドストロークは文字通り、頭より高い位置でシャトルを打つため、ショットに角度と強さがあり攻撃的なストロークです。
ゲームに勝つための速さがあるショットが打てます。
オーバーヘッドストローク素振りポイント
オーバーヘッドストロークでの素振りのポイントを紹介します!
- 1 右足を半歩後ろへ引き、左手をシャトルの方向を指すように顔の前に出します。
- 頭より上でシャトルを打つように、腕を振り抜き左手は顔の前からお腹の方向へ引き下げます。
- 打った後は、視線を下げずに前を向いたまま、右足が前に出る守備の姿勢を取ります。
打つ瞬間(インパクト)に手首を回内させる事を意識して下さい。高い打点でシャトルを捉え、インパクトの瞬間に手首の回内運動とグリップを強く握り込む動作を同時に行います。
グリップを持つ手は、インパクト直前までは脱力状態、インパクトと同時に手首を回しグリップを握る手(特に人差し指の付け根に押し付ける感じ)に力を込めます。
これに肩から腕の動作、体重移動、視線のコントロールまでが素振りの一連の動作です。
たかが素振りですが、バドミントンに必要な動作は全て素振りに始まり、素振りに終わります。
シャトルを使わない、言わば擬似の練習ですが、シャトルがそこに存在するかのようにイメージし、腕の動き、手首の回転(回内)を身体に覚えさせる様に繰り返しトレーニングして下さい。
バックハンドの素振り
手首の回内をマスターしたら、次はバックハンドで回外運動を素振りで身に付けましょう。
回外運動は手首を外側に返すように回します。
バックハンドの場合、ラケットが不安定になりがちです。それを防ぐために、ラケットを握る親指を立てて(サムアップ)ストローク時にラケットを安定させましょう。こうする事でシャトルの飛ぶ方向をコントロールし易くなります。
バックハンド素振りポイント
バックハンドの素振りのポイントは、
- インパクトの時に手首を外側へ回転(回外)させる事。
- ストロークは大振りせずに速いスイングを目指す事。
- 体重移動時に足は動いても体の軸がブレない事。
- 何より大切なのは、シャトルをイメージして視線を下げない事です。
たとえ素振りと言えど、「どこから飛んで来たシャトルを」、「どの打点で捉え」、「どの方向へ打つのか」を意識して素振りを繰り返しましょう。
目的意識を持った素振りでトレーニングを積んで下さい。
鏡の前での素振りやスマホで動画を撮影してフォームのチェックも有効です。
フォアハンドでの素振り(サイドアームストローク)
フォアハンドでは再び回内運動の登場です。
サイドアームストロークで正しく手首を使うと、地面に対してラケットが垂直近くまで立つはずです。これを「リストスタンド(立てた手首)」と呼んでいます。
この状態から腕を横方向に振り抜き、インパクトの瞬間に手首を回す素振りを練習して下さい。
手首を前後方向にスナップさせるのは、悪い見本です。オーバーヘッドストロークと同じ回内運動で腕と手首を連動させて下さい。
まとめ
バドミントンで素振りの基本は、オーバーヘッドストローク、バックハンド、フォアハンドの三つです。
基本の三つとサイドアームストローク、アンダーハンドストロークを組み合わせるとたくさんの種類のスイング(素振り)があります。
初心者はまず、基本の三つを徹底的に練習しましょう。
素振りはただ回数を重ねればいいものではありません。
実戦を想定した目的意識のある素振りが大切
実戦のゲームを想定した目的意識のある素振りが試合で成果を発揮します。
「どこから飛んで来たシャトルを」、「どの打点で捉え」、「どの方向へ打つか」。それには、どのストロークが最適か。
常に意識しながら、素振りを続けて下さい。同じオーバーヘッドストロークでもフォアハンド、バックハンド、打点の位置(高さ)、組み合わせはたくさんあります。
自分で素振りの組み合わせメニューを作って、全てのパターンを試しましょう。
また、実戦を意識して素振り(スイング)から守備の体制へ移る練習も忘れずに。
無駄に手首を使うと、ラケットの動きが大きくなり打った後に守備体制に移る時間が遅れます。
素振りは実戦感覚を忘れずに、シャトルをイメージしながらトレーニングしましょう。
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