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バドミントンをしていると、手首が痛くなることがあります。
これはラケットを使うスポーツとして安易に想像できることだと思います。
しかし、手首が痛くなった時の原因は腱鞘炎だけなのでしょうか?
「なんだか痛いなぁ、腱鞘炎かな?」
いえいえ、腱鞘炎だけとは限りません。
今回はバドミントンによる痛みについて詳しく見てみましょう。
手首が痛い時は腱鞘炎?
テニスや野球など、ラケットやバットなどを振るスポーツでは腱鞘炎を発症しやすいことは事実です。
しかし手首にかかる痛みのすべてが腱鞘炎かというと、それも違います。
ではざっくりと、どんな症状があるのかを見てみましょう。
腱鞘炎
バドミントンをしていて、手首の痛みを感じる場合の多くは腱鞘炎だったりします。
腱鞘炎とは「腱」の束に対して手首を曲げるなどの不自然な力がかかることによって、炎症を引き起こすことを言います。
TFCC損傷
TFCCは三角線維軟骨複合体という、手首を自由に動かすための構造のことを言います。
詳しい話をすると難しいので、簡単に説明すると二本の腕の骨と、手の骨の間にある受け皿のような軟骨のことです。
この軟骨があることで、手首をグリグリと回すことができるというわけです。
この軟骨は複数あり、三角形であることから三角線維軟骨複合体と呼ばれます。
このTFCCを損傷することで、手首に痛みを覚えることがあります。これは同じ手首の痛みでも、腱鞘炎とはまた違うため注意が必要です。
突き刺すような痛みを伴う場合もあるのがTFCC損傷の特徴と言えます。
捻挫
手首の捻挫はバドミントンなどのスポーツのみならず、私生活の中でも起こる可能性があります。
どういった時に発症するかというと、わかりやすく言えば転んだ時に手をついて痛くなる、といった経験は誰でもあることだと思いますが、まさにそういった状況で発症します。
捻挫は特殊な状況でなくても発生する可能性のあるものですが、痛いということは炎症を起こしているということです。
炎症を起こしているということは、悪化することで腱鞘炎やTFCC損傷のリスクがあるということにも繋がります。
それぞれの痛みの特徴は?
手首に痛みを感じたら、すぐに病院で診察してもらうのが最善です。
しかし、中にはすぐに病院に行けないという人もいると思います。
腱鞘炎なのか、TFCC損傷なのか、はたまた捻挫なのか……ある程度は見分けることが可能です。(ただしこれら見分け方は参考程度にして鵜呑みにせず、必ず病院にかかってくださいね!)
腱鞘炎の可能性
腱鞘炎の可能性
手首が痛い!と思ったらまずは腱鞘炎を疑います。
主な特徴は…
・手首を動かすと痛い
・指を曲げた時に引っかかりを感じる
・インパクトの時に痛い
といったところでしょうか。
バドミントンをする上で、多くの人が経験するのではないでしょうか?
TFCC損傷の可能性
あまり知られる症状ではありませんが、バドミントンというスポーツの特性上、このTFCC損傷を発症する可能性は高いです。
主な特徴は…
・手首を小指側に曲げると痛む
・バックハンドの時に小指側の手首が痛む
・フォア側でも打ったあとに痛む
これら特徴が見られます。
見ていただければお分かりと思いますが、なぜか「小指側が痛む」のです。
これには理由があり、そもそも三角線維軟骨複合体という軟骨は小指側に広がっているのです。
そのため、このTFCCを損傷すると広がりの大きな小指側が痛みます。
腱鞘炎との最大の違いは小指側が痛むこと、と覚えておくとよいでしょう!
捻挫の可能性
腱鞘炎でもTFCC損傷でもなければ、捻挫の可能性があります。
主な特徴は…
・手首の動きとは関係なく痛む
・手首全体が痛む
これら特徴があります。
腱鞘炎は手首を動かすと痛かったり、TFCC損傷は小指側が痛かったりといった特徴があるのに対し、捻挫は手首の全体が何もしていなくても痛い、という状態です。
発症する原因は?
腱鞘炎、TFCC損傷、それぞれの原因を抑えていきましょう。
知っておくことで回避できる場合もあります。
捻挫については転んだ時に手をつくといった、日常生活でも起こりえる衝撃で発生し、身近な症例ですので今回は腱鞘炎とTFCCの損傷について原因をまとめてみました。
腱鞘炎になる原因
まず前提として腱という繊維状の組織についてお話します。
筋肉の収縮に対いて、この腱という組織を通じて骨を引っ張り、腕を曲げたり手首を曲げたりできるようになっています。
当然、何度も無理な負担を与え続けると、この腱という組織に負担がかかります。
負担がかかり続けることで、炎症を起こしますが、これが腱鞘炎と呼ばれる症状です。
炎症を起こしたことにより、手首を動かす時に起こる筋肉の伸縮とともに痛みが発生します。
TFCCを損傷する原因
先述の通り三角線維軟骨複合体という軟骨が損傷する状態を指します。
損傷しやすい人と、損傷しにくい人がいるのですが、これはラケットの構え方などが影響しているといわれています。
具体的には、リストスタンドができているかどうか、という点です。
通常、バドミントンのショットは親指側に手首を傾けた状態で放ちます。
これをリストスタンドと呼び、手首を固定してショットをコントロールする基本的な構え方です。
しかしこの手首の状態を親指側に傾けるのではなく、逆に小指側に傾けてショットしたとします。
三角線維軟骨複合体は小指側に広がる軟骨ですので、小指側に手首を傾けたままショットを放つことで、逃げ切れなかった衝撃が三角線維軟骨複合体にそのまま負担をかけてしまいます。
それが積み重なることで、TFCCを傷つけてしまうという現象がこのTFCC損傷を引き起こす原因なのです。
まずは手首を親指側に傾けて構えるリストスタンドを正しく習得し、TFCCの損傷を回避できるように意識してみましょう!
発症した時にはどうすればいい?
十分に気を付けていても、どうしても手首への負担がかかるため回避できない場合も当然あります。
実際に発症してしまった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。
炎症と聞くと、多くの人は「冷やす」ことを思いつくと思います。
間違えてはいないのですが、実はこの腱という組織には血管があまり通っていません。
そのためアイシング(=冷やすこと)はあまり効果が見込めまないと言われています。
※アイシングには一時的に痛みを緩和させる効果はありますが、具体的に炎症の回復が早くなるかというとそうではありません。
では、どうするのが良いのか。
実は腱鞘炎については単純に「保存療法」が効果的とされています。
正しく医者にかかり、アドバイスを受けることは当然必要ですが、腱鞘炎であった場合は競技をお休みして安静にして完治を目指しましょう。
しばらく練習できない、と思うかもしれませんが、バドミントンの練習はラケットを振ってシャトルを打つことばかりではありません。
手首を休めている間に他の選手のプレイスタイルを研究したり、基礎体力のトレーニングをしたり、できることはたくさんあるはずですので、焦らずにしっかりと完治を目指しましょう!
まとめ
スポーツと怪我は常に背中合わせで、バドミントンにおいては手首にかかる負担なども相当です。
今回はバドミントンをする上で手首に発症しやすい主な炎症についてまとめましたが、腱鞘炎とTFCCの損傷と捻挫だけではありません。
ここには書ききれなかった様々な症状、またはそれらが合併した症状である可能性もあります。
繰り返し何度も言っていますが、まずは病院にかかることが前提です。
しかし長期連休中だったり、すぐに医者にかかれないこともあるかもしれません。
そういう時のための知識、としてぜひ覚えておいてくださいね!
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